重要文化財・護法善神立像ご開帳法要
於 護法善神堂(市指定文化財)
三井寺の守護神である鬼子母神の祭礼。千個の団子を供えることから「千団子祭り」と呼ばれ、600年以上続く伝統的な祭礼として大津の人々に親しまれています。鬼子母神は訶梨帝母と称する女神で、自らは千人の子供を持ちながら、人間の子供を奪って食べる鬼神でしたが、お釈迦様の説法を聞き、懺悔して仏法を守護する神となりました。 わが国では、子供の無事成長を守護し、また婦人の無事安産をかなえる女神として信仰されている。祭礼では、子供の無事成長にちなんで植木市、苗市が開催されます。 また、堂前の放生池では、生きとし生きるものすべての命を大切にする「放生会」が行われます。これは子供の無事成長の願いをこめて、その子の名前と年齢を亀の甲羅に書いて池に放す行事です。 |
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護法善神立像(ごほうぜんしんりゅうぞう) ・重要文化財 平安時代(12世紀) ・木造 彩色 像高159.1cm |
千団子祭の行われる護法善神堂の本尊で、護法善神は智証大師 が子供の頃と入唐後にその姿をあらわした訶梨帝母です。 ヒノキの一木造で彫りは浅く抑揚が控え目で余分な衣文を省略 し、穏やかな作風となっています。左手に柘榴(ざくろ:吉祥 果)を持ち、唐風の衣裳をまとって立つ女神に表されています。 仏典によりますと、鬼子母神は、自ら千人の子供を持ちながら人間の子供を奪って食べる鬼神でした。ある時、これを憂いたお釈迦様が、鬼子母神の最愛の末子をお隠しになり、嘆き悲しむ鬼子母神に「千人もの子供がいてさえ、その中の一人でもいなくなれば悲しむのに、人間の子供を奪って食べれば、その子の親はどんなに悲しむことだろう」とお説きになりました。お釈迦様の説法をお聞きになった鬼子母神は、深く懺悔して、これまでの罪亡ぼしに仏法を守護し、子供のない人には子供を授け、病気を癒し、一切の障碍から子供を守ることを誓願されました。お釈迦様は鬼子母神に愛児をお返しなり、ざくろ柘榴を食物とすることをお教えになったと伝えられています。 |
古来より霊験あらたかな三井寺鬼子母神様には、無事安産、子供の健やかな成長を願い多くの人々により伏見人形が奉納されてきました。
この度、当山では型取りから彩色までひとつひとつ心を込めて手作りし復活致しました。家内安全、無病息災、御子様が"すくすく"と成長されますよう御家庭に御奉持ください。 平成十七年五月 三井寺 千団子祭り
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