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肉食の禁 ▲かつて、シカは普通の食糧だった。シカ1頭を100人で食べたことがある。 縄文人の日常は、女が支えた。野草を摘み、木の実を拾い、魚貝を漁って毎日の食糧とした。男たちは狩りに出るが、大物の獲物が捕れるのはひと月に一回かふた月に一回かでしかない。それでも女たちは男たちの毎日の労働を許した。ひと月かふた月に一回食べられる肉が、あまりにおいしかったからである。
そんな中、弥生時代には、近親者が亡くなると、肉食を控えた様子が見られるという。獣の死体が近親者の死体を連想させるのだろうか。その肉をさばいて食すことは、はばかられた。
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