くもこ(鱈の白子)の天麩羅
寒い季節、暖かい鍋などが有難い。数ある鍋のうち、鱈のチリ鍋はいかがだろうか。
鱈の鍋をいただきついでに、くもこの天麩羅などいかがなものだろう。
くもことは、雄の鱈の腹にある精巣の白い塊状のものを言う。
普通くもこは薄口醤油で煮付けると美味である。
酒の当てなどに重宝されるが、今回はそのくもこの天麩羅を精進で作っていただく。
最初に、すり鉢にとろろ芋と豆腐を同量入れる。
くわいを四分の一個擦りおろして加え、丁寧に擦りこぎでよく混ぜる。
食感を増すためオリーブ油を二〜三滴たらす。ほんの少量うまみ調味料と塩を入れる。
フライパンにサラダ油を入れ、油の温度が二百度位になったら、一旦火を切る。
くもこのあのモコモコ感を出すためと、親指大の大きさに連なったように見せるため、
ねった具を手のひらにのせ親指で繰り出すようにして形を整えながら、火を切ったフライパンの中に入れる。
くもこのねっとり感と、あの白い色を出すために、油をさましながら揚げる。
とろろ芋と豆腐、 くわいをよく擦る |
形を整えながら 油に入れる |
あまり色がつかない ように揚げる |
くもこの天麩羅 |
鰹だしでとった天つゆでいただくと、なかがふわふわしている。ねっとり感が口中に広がる。
生臭ささがなく香ばしい、冬らしい一品である。
お正月のご馳走続きで飽きたときや、もっとあっさりした一品が欲しいと
思った時などに簡単に作れる料理を紹介いただいた。
何かに似せて作った精進料理ではないが、土の匂いがする素朴な料理である。
赤かぶらとアロエのにぎり寿司
まず、寿司飯を用意する。赤かぶらを薄く切り酢に浸けておく。またアロエは厚皮をはぎ、
ゼリー状の葉肉を取り出す。そこにアロエの苦味取りと、色つけのために煮出したくちなしの汁を数滴たらす。
後はにぎり寿司を握る要領で、わざびを利かせ、寿司飯の上に適量のせる。
にぎり寿司の 要領でにぎる |
赤かぶらのにぎり寿司 はサッパリ感が命 |
赤かぶらとアロエの にぎり寿司 |
ズイキと根いもの酢のもの
ズイキは夏収穫しておいたものを皮をむいて一塩をして冷凍保存する。
ズイキと根いもはあくを取るため沸騰させた湯に大根おろしを入れゆがく。
酢と砂糖と酒で漬け込み、お正月のご馳走続きが飽きたときいただく。
ズイキと根いもの酢のもの
零余子(むかご)きんぴら
むかごはよく洗い、油をひいた鍋でよく炒める。
通常のきんぴらを作る要領で、柔らかくなったら醤油と一味とうがらしで味をつける。
素朴で意外な滋味がある。
左:むかごのきんぴら。
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