はも料理二種
はも料理は、夏の風物詩として欠かせない重要な料理の一つである。
一般的には、骨切りしたはもを湯引きし、冷たくして梅肉か酢味噌でいただく「はもの落とし」か、
タレを付け焼きした「はもの蒲焼」が好まれる。
今回は豆腐とくわいが原料の、はも料理を作っていただく。
(1) ふきんでよく絞った豆腐一丁と皮を
むいたくわい7〜8個をすり鉢でよく擦る。ここまでは「落とし」と「蒲焼」は同じ工程である。
材料は豆腐とくわい |
くわいは皮をむく |
(2) 「はもの落とし」はその材料にかたくり粉を混ぜる。
はもの皮に見立てた焼き海苔の上に、材料をのせ、形を整え、暖かいふきんに包んで一時間ほど置いておく。
すり鉢で擦る |
ふきんに包んで 1時間ほど置く |
(3) かたくり粉を混ぜ、時間を経ることにより、
黄身がかった材料が真っ白に変わる。はもらしい色と艶が生まれる。
包丁で、骨切りしたような細い筋目を付け、蒸し器で5〜6分蒸すとクルッと半円を描いたような、
はも独特の形状になる。
冷水でさっと洗い思い切り冷やして、梅肉や酢味噌で食べる。あっさりとした食感が夏の涼味をさそう。
(4) また「はもの蒲焼」は、
豆腐とくわいを擦ったものを焼き海苔の上にのせ、形を整え包丁を入れ骨切りに見たてる。
180度ほどの天ぷら油で5〜6分揚げる。
焼き海苔の上に のせる |
骨切りの要領で 包丁を入れる |
(5) 揚がった身に、醤油4、味醂6の割合で作ったタレを塗り、
ガス火の上であぶる。2、3度付け焼きすると香ばしい「はもの蒲焼」が出来あがる。
魚のように生臭さがなくサクッとした歯ざわりが心地好い。
付け合せ二種
1. ゴマ麩
強力小麦粉500gに塩少々入れ、水を加え、耳たぶ程の固さになるまで、よく練る。
時間をかけて、ダマダマが無くなるまで丁寧に練る。練りあがったら、濡れふきんに包んで冷蔵庫に30分程置く。
それを水道水で洗う。白濁したでんぷん質の溶液がきれいになるまでよく洗う。
粉臭さがなくなるまで洗う。それに餅粉を加え、さらによく練ると生麩の原料が出来上がる。
桜の花ビラを練り込めば桜麩。紅葉の葉を練り込めばもみじ麩、という具合に季節によって細工すれば、
色んな楽しみ方が出来る。今回は、煎り胡麻を練り込んだゴマ麩。蒸し器に入れて7〜8分蒸せば出来上がり。
冷たくして細く切り、からし醤油で食べる。ゴマの香りが口いっぱい広がる涼味溢れる一品である。
強力粉に水を加え、 よく練る |
流水でよく洗う |
餅粉を入れ、また練る |
蒸し器で7〜8分蒸す |
2. つつじの花の酢の物
摘んできたつつじの花をよく洗い、花の下の部分を切取り、中の花芯を取り除く。
その部分は食べると毒だと言われている。
じゃがいもを針のように、細く千切りにし、透明になるまで冷水に浸けておく。
水に浸けておくことによって、パリパリ感が出る。
その細いじゃがいも数本の先に、マッチ棒の先ほどの練りカラシを付け、先ほど取り除いた花芯の代わりに、
つつじの花の中心部に差し込む。
二杯酢を用意し、もちろん花ごと一緒にいただく。見た目に美しく、ツンと鼻にくるカラシと、
じゃがいものシャキシャキ感が食欲を誘う。
つつじの芯をとる |
手前ゴマ麩、後、 つつじの花の酢のもの |
|