野や山がいっせいに芽吹き、新しい命が自然を謳歌する春。
今回は野趣豊かな、それでいて意外性に富んだ二種の料理を作っていただきます。
春の新芽を料理する
牛蒡とふきの新芽湯葉巻
手前の色がうすい方が、ふき。 濃い方が牛蒡の湯葉巻 |
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丸揚げ豆腐
ダシでいただく |
牛蒡とふきの新芽湯葉巻
市販されている牛蒡の新芽の部分を使用する。普通牛蒡は土に埋まって茶色くなっている根の部分を食するが、今回はその上部、葉の部分を使って料理する。 牛蒡もふきもきれいに水洗いし、ていねいにその皮をむき、アクを抜くためサッと茹でる。茹で終わったら、二十センチ程の長さに切りそろえておく。 次に湯葉を水で戻し二〜三時間置いておく。戻った湯葉に適量酒を振りかけると、より一層香りが楽しめる。巻き簾を引き、その上に湯葉を広げ、牛蒡の芽を置き、ていねいに湯葉で巻く。同様にふきも湯葉で巻く。 巻き終わった湯葉を、表面が薄っすら焦げるまで弱火で焼く。焼き上がったら、一口大に切り分け、皿に盛る。わさび醤油や三杯酢でいただく。湯葉のパリッとした食感の中から、春の息吹が感じ取れる一品である。
左は牛蒡、
右は ふきの新芽 |
1. 広げた湯葉に |
2. 牛蒡をのせる |
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3. ていねいに巻く |
4. こげ目がつく程度焼く |
丸揚げ豆腐
次に、ユニークな半球型の揚げ出し豆腐を作っていただく。市販の木綿豆腐を水切りし、濡れふきんに包み一晩置いておく。出来るだけ水分抜く方が、後の作業がやり易い。 球型、もしくは円形の型を用意する。無い場合は茶筒のふたを利用する。木綿豆腐の真ん中に茶筒のふたで押しながら、豆腐をすくい上げる。クッキーの型を作る要領で、円形の豆腐を取り出す。 その円形の豆腐に片栗粉をつけ、油で揚げる。この場合、中まで火が通るように、最初はやや低温で揚げる。徐々に火を強め、ていねいに裏返しながら、こんがり狐色になるまで、揚げる。 大根おろしを添え、暖めたダシで食べるのも良し。鰹節と山椒の葉を添え、あっさり醤油でいただくのも良い。
1. 茶筒のふたで豆腐を切りぬく |
2. 片栗粉をつける |
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3. 油で揚げる |
4. 狐色になるまでゆっくり揚げる |
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