寿盛三品
柿なます
水を張った鍋に、ダシ昆布を漬けておく。大根、人参を短冊に切り、その鍋に入れて二時間ほど漬け置く。次に塩をしたきゅうりと、柿を千切りする。柿は小さじ二杯程度の酒と味醂に漬ける。大根、人参、きゅうり、柿を和え、器に盛る。すだちの汁を全体ににふりかける。最後に、水に戻し醤油に漬けた水善寺のり(手に入らぬ時はきくらげを代用)を細く切り、彩りを添える。柿の甘さと、野菜のパリパリ感、すだちのさっぱり感が絶妙の一品である。
大根、人参を短冊に切る |
柿は酒と味醂に漬ける |
大根.人参はダシ汁に漬けておく |
すだちをしぼる |
ふきの紅梅煮
山蕗を使いたいところだが、手に入りにくい時は市販の蕗を使う。蕗は熱湯をくぐらせ皮を剥き、数センチの長さに切る。鍋に用意した昆布ダシに漬ける。次に、梅干を数個用意し、ほぐしながらその鍋に入れ、弱火でコトコト煮る。醤油や、塩などは一切使わないで梅干だけで味付けする。十分煮立ったら、火を止める。時間が経つにつれて、鮮やかな紅色が際立ってくる。
ふきの皮をむき、適量に切る |
昆布ダシにつける |
梅干を入れ |
弱火で煮る |
くわいもどき
くわいは、芽だけを取り、捨てないで置いておく。実の部分を摩り下ろし濡れふきんに包んでおく。麩、パン粉をすり鉢に入れ細かく擦る。一つまみの塩と水を入れ更にすりこ木で擦る。先ほど擦ったくわいをすり鉢に入れ、耳たぶ程の固さになるまでさらに擦る。それをピンポン玉ほどの大きさにし、残しておいたくわいの芽を差込み、元のくわいの姿に似せる。それを植物油で5分ほど揚げる。鍋に湯を沸かし、味醂とだしの素、薄口醤油で味付けした汁で、さっと煮る。くわいの苦味もなく、あっさりとした味わいは、お正月料理に飽きた舌に清涼感を与え、さらにお酒を美味しくする。
くわいを擦る |
さらに麩、パン粉を入れ擦る |
植物油で揚げる |
薄口醤油でサッと煮る |
|