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鬼瓦 西光寺(近江八幡市)の鬼面瓦 奈良に「鬼の会」という鬼の愛好会があって、毎年開く「鬼展」に、鬼を題材にした日本画や書とともに、鬼瓦制作の第一人者、小林章男さんの新作が出品されるのが楽しみだった。小林さんは、江戸時代文政年間から一七〇年続く「瓦宇」(かわらう)の七代目当主で、鬼瓦一筋の名鬼師である。
鬼面瓦が一般民家の屋根にも普及する江戸時代になると、鬼が隣から睨むといって嫌がられるようにもなり、鬼面瓦は、ありとあらゆる願いを込めた、多種多様な縁起柄の鬼瓦に替わる。思いのままの願いが叶うという如意宝珠や松竹梅、鶴亀に七福神。福助、天狗、また水流紋に鯉など。これを組み合わせたものも。
これが、鬼瓦の最終形である。
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