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三井の晩鐘
三井の晩鐘には、哀しい民話が伝わります。
梵鐘は、慶長七年(1602)四月二十一日、当時の三井寺長吏、第百三十七代道澄師の発願によって、
「弁慶の引き摺り鐘」(奈良時代作)を模鋳したものです。
その古鐘にも湖底の竜宮にまつわる伝承があって、もともと、竜族が竜宮に秘蔵していた鐘を、
竜王を悩ませる三上山の大ムカデを退治したお礼に、俵藤太秀郷が贈られたものだというのです。
すれば、三井の晩鐘の音(ね)を聴いて、何かしら、心静まり、懐かしい気持ちを抱く人は、
ひょっとすると、竜女の血を引く人かもしれませんね。
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