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第二十六番札所 法華山 一乗寺
 清水寺を出たべんべん一行は、さらに一時間ほど車を走らせ、加古川を越えて加西市の第二十六番札所「法華山一乗寺」へと向かう。加東市・加西市という名前からもわかる通り、清水寺と一乗寺は加古川を挟んでそれぞれ東側と西側に位置している。


法道仙人伝説はじまりの地

 法華山 一乗寺は六五〇年、孝徳天皇の勅願により創建。開基は、清水寺と同じく法道仙人とされる。そしてこの一乗寺こそ、先に述べた「法道仙人伝説」はじまりの寺なのだ。

 一乗寺縁起によれば、法道仙人はインドより紫雲に乗じて飛来し、最初に法華山へ降り立ったという。「法華山」と名付けたのも法道仙人で、「谷は蓮華の如く峰は八葉に分かれ」た山の景観に由来する。航空写真で確認すると周辺は確かに谷が入り組み「八葉蓮華」のようでもあるが、兵庫県立歴史博物館が運営するサイト「ひょうご歴史ステーション」の記事「神出鬼没 〜謎の法道仙人〜」でも触れられているように、これは上空からでなければわからないはずだ。仙人は本当に空を飛んだのか。そうでなければどうやって地形を確認したのだろう。


べんべんチャレンジ 〜石段〜

 一乗寺周辺では紅葉が八分ほどまで進み、ひときわ秋らしい風景を作り出していた。
 門をくぐって奥へ進むと、まっすぐ上に向かって長い石段がのびている。
札所の本堂まで、その数百六十二段。大丈夫か、べんべん。そんな我々の心配をよそに、べんべんは顔色一つ変えずすいすいと石段を上っていく。さすが、これまでの取材で数多くの石段を制して来た我らがべんべんだ。
途中ベンチで座っていたのは、決して休憩ではなく寺の風景を楽しむためであろう。
べんべんは山岳修行で鍛えた三井寺の僧、これしきで疲れるようなゆるキャラではない。


国宝「伝教大師像」

特別公開中の常行堂  石段は三つのブロックに分かれており、最初の石段を上ったところには「常行堂」がある。通常非公開だが、この日は特別拝観で中に入ることができた。堂内には、国宝「伝教大師像」と「聖徳太子像」の複製が展示されている。平安時代後期の作品で、インド・日本・中国の天台高僧を描いた「聖徳太子及天台高僧像」十幅のうちの二幅。一乗寺の最も貴重な収蔵品のひとつだ。べんべんも「今日は特別公開ばっかりで運がいいべん」と、嬉しそうに像を眺めていた。


三重塔のふたつの眺め

国宝・三重塔を望む  二つ目の石段を上ると、左手に国宝「三重塔」がそびえる。平安末期の建立で、日本でも十指に入る古塔とのこと。下から眺める三重塔の迫力を味わいながら、べんべんは最後の石段を上って本堂へ向かう。

 石段から本堂をみると、「大悲閣」(本堂の別名)の看板が掲げられている。石段を上り切ったべんべんは、さらに少し坂をのぼって裏手の入口へ回り、堂内へ。御本尊(聖観世音菩薩/非公開)に手を合わせ、法螺貝を吹き、御朱印をいただく。

上:天井の巡礼札、 下:行者堂 天井を見ると、無数の木片が花のような形になって貼り付いている。飾りかと思ったが、これはかつて参拝者たちが巡礼の証として打ちつけた「木札」とのこと。ここを訪れた人々は、観音巡礼にどんな祈りを込めたのだろう。

 回廊に出ると、さきほどの三重塔が見える。今度は上からの眺めで、紅葉した木々や山々との調和が素晴らしい。「きれいべん」。べんべんは、しばしその美しさに目を奪われていた。


べんべんと行者堂

 本堂の奥には、小さなお堂の建ち並ぶ広場があった。べんべんが、そのうちのひとつを必死に覗き込んでいる。ガラスの格子戸で隔てられて見えにくいが、堂内に「役行者像」が祀られているようだ。格子戸に顔を貼りつけながら「前鬼、後鬼もちゃんといるべん。立派べん」と、感心するべんべん。その並々ならぬ興味を目の当たりにし、「べんべんって、やっぱり僧なんだな」としみじみ思う筆者であった。

 石段を下りて寺から出ると、たまたま停車していた特別養護老人ホーム「春夏秋冬」さんのマイクロバス数台に遭遇。べんべんの登場に歓声が上がる。せっかくなので、各バスをめぐり得意の法螺貝を披露。「拍手して喜んでもらえて、最高の締めくくりべん。これも観音さまのご利益べん」と、満足げなべんべん。清々しい気持ちで一乗寺を後にした。





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