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大海の針

「社会人となりました。頂いた本はゆきづまる度に読み返す自己開発の手引書の心境です。生意気のようですが、命の尊さと遺伝子の不思議の働きには、言い尽くせない感動を覚え、人生を深くみつめるようになり、両親に感謝しています」。

数年前、庵を訪れた女学生に贈った一冊は、高血圧の黒幕「酵素レニン」の遺伝子解読で世界的貢献をされた筑波大学教授・村上和雄博士の著書『生命の暗号』。その内容についての久方ぶりの声の便り。彼女はこの本により、生命に対するカルチャーショックを受けたと言い、二千五百年前、既に仏陀が人身の得難さを説かれた譬えを今一度と乞われた。

『菩薩処胎経』に大海の針。『提渭(だいい)経』に妙高の糸とあり、大海原に落とした一本の針を探し当てる程に、また、須弥山上より下ろした糸が、麓にある針の孔に通るのに譬え、いずれも人間に生まれる得難さ、有り難さを説き示されたもの。

一冊の本を通じての会話は夜更けに及び、あの少女の面影を残した同じ人とは思えない程、自己を確立して生きている一途な人を讃えて受話器を置いた。

遊心庵主・岡部善惠



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