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便り Hさん。十二年前、湾岸戦争の即時終結を願い、八十四歳の貴女が一日も休まず、志有る人達と三万遍の般若心経を唱え続けて下さった平和祈願法要は残念乍ら円成には至りませんでした。あの折の劣化ウラン爆弾によって、今尚彼の国で白血病の子供が増え続け、母親達は奇形児の誕生に怯える現状です。 此度の米英軍は、安保理の可決を得ぬままイラクを攻撃。双方が共に神の賛意を得たかの如く、正義と聖戦(ジハード)を錦の御旗として正当化し、多くの恨みの種を播き散らし、再び歴史に残る愚かしいイラク戦争となりました。
かつて仏陀は釈迦族滅亡の受難にも「怨みに報いるに怨みをもってせば怨みは絶えず。怨みに徳をもってせば恨み終いに止む」と耐え忍ばれました。 Hさん。今、日本を始め各国の子供達は、平和と命と環境との深い繋がりを学び、宇宙から地球を視る賢い眼差しで手をつなぎ、支え合おうと動き出しました。私達大人も地球市民の意識を高め、二十一世紀の子供達に恥じない足跡を残せるよう、何卒お浄土より世のゆく末を見守っていて下さいますように。
遊心庵主・岡部善惠
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