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茶のこころ
突如、世界を襲ったコロナ禍のもと、春のお茶会も中止となり、さみしい日々が続いています。 以来、三井古流には何よりも人の心を引き付ける「お心」があると思っています。ことにお稽古のなかで思うのは、正しい基本を繰り返し繰り返し身につけることが肝心ですが、その無駄のない研ぎ澄まされたお点前にふれることで、自ずと先人が積み重ねてこられた知恵に感謝するようになります。 それにとどまらず、お茶の味もまた「一期一会」の瞬間です。そこには、もてなしの心、人間同士の真心のふれ合いがあり、たとえお稽古の時でもお茶の美味しさが、生涯の心のつながりを生み出します。 さほど身近にあるお茶は、私たちに和の心を育み、人の心を映し出す鏡そのものであり、かけがえのない美徳に気づかせてくれる存在なのです。
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