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孔雀と密教

5月も上旬になると、 霊鐘堂(弁慶の曳きずり鐘を奉安)西側の孔雀園からけたたましい鳴き声が聞こえてきます。 繁殖期がやってきたのでしょう。 雄は華麗な尾羽根を半円形状一杯に広げ、羽根を振動させて雌にアピールしています。 また、その行動は他の雄たちに自分の優位を誇示しているのだともいいます。

そういえばピーコック革命とはやし立てられて、男が着飾ることが流行った時代がありました。 いつ頃の事だったのか忘れてしまいましたが。

三井寺で孔雀を飼うようになってもう13年にもなるだろうと思います。 その経緯はといえば、当寺のお出入り業者で、桧皮(ひわだ)、柿葺(こけらぶき)等を専門とされている河村社寺工殿社の棟梁が、 趣味として飼育しておられたインド孔雀の数が増えすぎてしまって、 場所的にもとても飼いきれなくなってきたので、 境内の広い三井寺さんに引き取ってもらえないだろうかと相談があったことに始まります。

お寺が孔雀を飼う?なんとミスマッチな、と思われるかも知れませんね。 小さな子供さんを連れた家族連れの参拝者や、幼稚園、小学校の遠足もしくは写生大会で来山した子供たちは、 思わぬところにいる孔雀を見て大喜びです。なにせ50羽もいるのですから。 動物園よりも多くいるのではないでしょうか。 子供たちに喜んでもらえるのもいいのですが、当寺が孔雀を飼った本当の理由は他にありました。

孔雀明王という仏様をご存知でしょうか。 孔雀の背の蓮台に結跏跌坐して座り、明王といえどもお顔は忿怒相ではなくて、 菩薩形の慈悲相です。4本の手には持物をとり、うち1本の手には孔雀の尾羽根を持っています。

密教では特別な修法の御本尊として重要な位置を占めています。 とりわけ東密(真言密教)の醍醐寺、仁和寺において重視されたようです。

インドでは古来より孔雀は毒蛇を食するといわれており、 その力を神格化し密教が取り入れて、孔雀明王を成立させたのです。 毒蛇を我々凡夫の三毒、つまり貪(むさぼり)・瞋(いかり)・癡(ぐち)に見たて、 孔雀がもつ威力によって煩悩を消滅させようと考えたのです。

修験道の祖、役小角も孔雀明王を篤く信仰したといわれております。 採灯大護摩供を奉修する際、採灯師(導師)が腰に孔雀の尾羽根(ほうき扇)を一本差します。 これは孔雀明王の徳力を授かり、それによって諸魔の退散を祈願するということなのであります。 ですから、孔雀と密教とは重要な相関関係にあるのです。





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