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火 焔

チョロチョロと燃える火を見ている となんとなく落ち着きます。焚き火は 私の趣味の一つでもあります。焚き火 にする柴は境内でいくらでも調達でき ます。枯れ枝集めならば事欠きません。 太い枝ではなく、小指ほどの太さ、太 くても親指くらいの太さで、しかも良 く乾燥した広葉樹の枝がお気に入りで す。

なぜ太さにこだわるかと言いますと、 拾い集めた枝を両手でポキ、ポキと折 って火中に投げ込むためです。その時 の感触が心地よいのです。そのために も充分乾燥してなくてはいけないので す。薪を燃やした時の大きな火ではな く、柴を燃やした時の小さな火が好き なんです。いわゆる「癒される」とい う心持ちになります。

炎の動きは自由気儘です。わずかな 風によって乱舞します。毎月28日、三 井寺伝灯教会長等不動会が管理運営し ている不動尊の護摩供に参ります。信 者さんの願意とお名前が書かれた護摩 木を一本、一本読み上げて炉に投じま す。この道場は屋根はありますが、四 方吹き抜けになっており、風向きによ って護摩の火は様々な姿に刻々と変化 します。

そんな炎の一瞬の動きをとらえて光 背(仏画や仏像などで体から発せられ ている後光)としているのが不動明王像です。火焔光背といいます。世に名 高い三不動尊、高野山明王院の赤不動、 青蓮院門跡の青不動、そして当山の黄 不動です。三尊とも火焔光背を負って いますが、中でも青不動尊の火焔の凄 まじさには圧倒させられます。燃え盛 る炎の一瞬の動きを切り取り、表現し た筆者の卓越した観察眼と技術には感 服せざるを得ません。全身の背後に火 焔光背が描かれ、煩悩を打ち砕く力強 さが見る者を畏敬させます。

一般的に不動明王像が背負っておら れる火焔光背に鳥がいることをご存じ でしょうか。そもそも火焔光背は迦楼 羅という鳥頭人身の大鳥が口から炎を 噴き出した時の様子を現しているとも いわれます。迦楼羅の鳥頭が火焔光背 に現されているものを迦楼羅焔光とい います。迦楼羅は毒蛇や龍を食らうと 考えられていて、噴き出す炎は燃え盛 る我々の煩悩そのものでもあります。 また、迦楼羅は観音菩薩の三十三化身 の一身にも喩えられています。当山金 堂に奉安されて います不動明王 立像の迦楼羅焔 光をご紹介しま す。ご参拝の折 りに探し出して みてください。(梅村敏明)

 



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