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末世を祈る
経典にある劫濁、見濁、煩悩濁、衆生濁、命濁の五濁の悪世は現在の相そのままが表現されている。
戦争、病疫、飢饉、環境の悪化。衆生の思想は乱れ邪しまがはびこる。
貪り、怒り、道理に暗い浅ましい人間の悪徳の栄え。
衆生は感性乏しく心も鈍る資質の下落。寿命も短命となる。
この有様は時代が下るにつれ次第に熾烈になるという。
先頃報じられた宇宙ステーション時代の幕開けの朗報に心弾みはしたものの、
各地に埋設されている対人地雷の完全除去に一千年を要し、
最終処分場も定まらぬまま増えつづけている高レベルの放射性廃棄物等、
未解決の汚染物質の増大を思えば、子供達のようには喜べない。
後世の人びとは宇宙からふるさと地球を胸のいたみなしに眺めて下さるだろうか。
私には世尊のお諭しも地球の喘ぎも哀しくしみる。
過去は追わず未来を待たず ただ一瞬(いま)だけを正しく勤めよ 「法句経」より
遊心庵主・岡部善恵
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