私は信仰心の厚い北陸の越前で育ち、朝に夕にと、御仏壇に手を合わせないと食事が出来ない家庭でした。 小さい私はイヤイヤ手を合わせ、御膳の前に座り感謝しいただきました。 今はもう遠き昔のよき仕来りが、日々の生活におわれ感謝という素晴しい言葉を忘れつつも、 九年前に、智証大師円珍さまの、一千百年の御遠忌法要の佳き年に、お献茶をさせていただき、 感動と感謝に身ぶるいし、また唐院におきましては、 華麗な袈裟を身にまとった僧侶を目の当たりにし、思わず手を合せておりました。

なぜなら、祖父母の葬儀も多くの僧侶に見送られ、浄土へと旅だったのです。 あのやさしかった祖父母には会うことは出来ませんが、 御影に手を合せ、日々私達の生活を守って下さっている事を感謝いたしております。 私には、お茶とは別に素晴しいテニスの友が沢山います。 誰一人として、人の嫌がることや傷つく言葉を言わず、いつも笑顔を絶さない仲間。 この素晴らしい友にも感謝しております。

三井古流煎茶道　大津支部　松本静園