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布施する心
2月13日から20日までミャンマーを再び訪れる機会に恵まれ、
八日間の仏跡巡拝と大戦で亡くなられた戦没者霊位の追善回向をさせていただくことができました。
前回の旅で国内の主だった仏跡は巡拝したつもりでおりましたけれども、
まだまだ国内には由緒ある仏跡がたくさんあることを思い知らされ、
私の知識不足を痛感させられた今回の旅でした。
なかでもチャイティーヨにある通称ゴールデンロック上に建つパゴダへの信仰は篤く、
ミャンマー仏教徒ならば生涯に3度はお詣りするといわれます。
何、たかが3度かと思われるかもしれませんが、これがまたとんでもないところにあるのです。
首都ヤンゴンから230キロ。悪路をひたすら走り、車止から急峻な山道(参道)を登ること1時間20分。
目的のパゴダは金箔に覆われた巨大な岩の上にありました。
人々は手に手にお供物を携え、全国各地からこのパゴダを目指してお詣りに来るのです。
ここだけに限らずいたるところでミャンマー仏教徒のパゴダに対する敬虔な姿を見ることが出来ます。
今回の旅では幸いにも日本語の堪能なガイドさんが案内して下さり、
前回には得られなかった多くの情報が得られたことも大きな収穫となりました。
もちろん彼女も帰依深い仏教徒であることは、次ぎにご紹介するお話からご理解いただけるかと思います。
彼女は29歳、ヤンゴン大学で日本語を学んだという才女です。
身なりも一般の人達とは各段の差。左腕には金のブレスレットが5連、輝いています。
右手中指にもエメラルドの指輪。私は思わず「お金持ちですね」と意地の悪い質問をしてしまいました。
すると、彼女は「数年ごとにパゴダの金箔が貼りかえられるときには、
このブレスレットも指輪もすべて政府に差し出します。それでパゴダもまた輝きを取り戻すのです」と、
なんら気負うことなく、さらりと言ってのけたのです。
さらに「ガイドをしてお金が貯まったら、またお洒落をします」とも。
ミャンマーのお坊さんの数、32万人。彼等は一切就労することはありません。
毎日の食事、最少必要分のわずかなお金はすべて人々からの布施によっています。
けっして裕福とはいえない人々も、日常生活の一部として、お坊さんに布施します。
パゴダへの信仰、僧侶への帰依。
輪廻転生を信じて疑わず、この世での善因が来世での善果となって報われることを、
布施行をなすことにより、この国の人々には約束されているのでしょう。
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