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十三仏信仰 人間としてこの世に生を享けた以上、いつの日か死を迎えるときが間違いなく、必ずやってきます。 何人たりともこの原理・原則から逃れることはできません。
ですから、そのときをいかなる心境で享受するのかが、大事なことなのではないでしょうか。
しかしながら、なんの憾みもかっていないのに殺戮されてしまったり、 不慮の事故に巻き込まれて人生をまっとうせずしてこの世を去らなければならない人々が、
なんと多いことでしょう。ただ気の毒、運が悪かったではかたづけられません。
私の周りでもこの一月の間に、親しい友人がICUで一週間を過ごさなければならなかったり、 また、その数日後には日頃から大変よくしていただいておりました方が、
不治の病を得、薬石効なく78歳を一期としてお浄土へと旅立たれるなど、 考えさせられることの多い一月でした。
さて、死を迎えたあと、私達はどうなるのでしょうか。 亡くなった父親が夢に出てきて「いま何処でこうしてるよ」といってくれたことがありませんので、
判りませんとしかいえません。
人が亡くなった日を忌日といい、毎月巡ってくるその日を月忌といいます。 そして毎年一回巡ってくる亡くなった月の忌日が祥月命日です。
葬儀を終えて七日目ごと四十九日まで行われる法会を中陰法要といいます。 故人のため遺族や知人が僧侶とともに追善回向をすることによって、
故人の御霊(みたま)は浄化され、満中陰をもって善処に新たな生を享けることになります。 それぞれの中陰法要には如来・菩薩・明王の各尊が配され、
故人の御霊は各尊の威徳により引導され、浄化されます。 満中陰後も決められたご本尊をもって百箇日、一周忌、三回忌、七回忌、 十三回忌、三十三回忌の追善回向を勤めて弔い明けとなります。
初七日から三十三回忌までの各尊の総称を十三仏といい、中国の十王信仰が日本で独自の発展をみて、 室町時代から十三仏信仰の隆盛をみました。
私はお世話になった方の回向を、遺されたご遺族とともに故人を偲び、至心に勤めさせていただいております。 それが在俗の身から僧衣を許された私にできるせめてもの恩返しだと思っております。
最後に十三仏の各尊を明記しておきます。
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