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ねがい
観音様。若い人達はいま、結婚しないし子供も生まないと親を嘆かせています。
遊び盛りの小学生時代から学歴偏重の為に塾通い。
十四、五才の感受性旺盛な時期に受験地獄の重圧。
自己の依って起つ日本の有様、世界の現状、修正し難い地球環境汚染等、学ぶ程未来への夢砕かれて哀れです。
親も教師も把握しかねる非情の風に晒され、緊急避難の引き籠りに自殺。
残虐犯罪の低年齢化もいたたまれません。
観音様。人びとが子供達の心の叫びをくみとり、全体生命への関心が深まりますよう。
仰ぎ願わくば、社会に悲憤の詩をつきつけて十五才の命を絶った少年の大願成就の為、
何卒私達に叡知と力を授け給え。
南無大慈大悲観世音菩薩哀愍攝受護持大衆
暗くけがれた空を見上げて僕は考えた/あんたらは僕達に何を残してくれたというのか/
テレビに車か/海外旅行か宇宙への旅立ちか/僕達はそんなもの望まない/
望んでいるのは土の匂い/風の匂い/澄んだ青い空なんだ。
「一九九八年四月朝日新聞絆より」
遊心庵主・岡部善恵
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