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二度とない人生だから(2) 二度とない人生だから 戦争のない世の実現に努力し そうゆう詩を一遍でも多く作ってゆこう 私が死んだら あとをついでくれる世の若い人たちのために この大願を書きつづけてゆこう 『坂村真民全詩集』より 今年、九十六歳を迎えた詩人・坂村真民さんの詩は、全編を通じて、ありとあらゆる命を讃え、小さきもの、弱きもの、虐げられしものを慈しみ、哀れみ、世界の平和を祈り、争いの愚かさを訴え、環境破壊には詩をもって警告する。すべてのものは関わりをもちあって永遠のいのちを保つこの道理を踏みはずさぬよう、あとからくる人達のために一人ひとりが心して欲しいと念いつづける真民さんの思想は、世尊と同じ、宇宙から地球をみつめる慈愛の眼差しを感じる。 やさしい表現のこの詩の前後に掲載されてある前一編は、二ページにわたる痛哭の詩で、仏教国ベトナムのかつての暴政に、壮絶な死をもって抗議した「ベトナムの少女よ」と、後の「延命の願」は、それぞれ独立した詩でも真民さんの深い思いが一筋の水脈のごとく三編に連なっているように読み取れる。 以下次号へ続く
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