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二度とない人生だから(5) 一九六五年五月、ベトナムの五つの村に、米機による七日間連続の枯葉剤(ダイオキシン)の空中攻撃は、その後二年間で五百人に余る死者をだし、長期にわたり新生児には惨い奇形をもたらし、その後遺症は現在に至る禍根となる。 空中散布後、東京大学教授は直ちに米国に対し、軍事行動即時中止を求め、続いて一橋大学教授と学生達が反戦集会を開いている。又、ベトナムと米国、各国の農学者は、枯葉剤の軍事利用に対し、千四百人が抗議の署名をし、ミシガン大学始め、多くの大学教授が即時戦争終結を求めての集会と、授業の放棄をもって戦争反対の意思を示している。 米国は、長びくベトナム戦に多大の国費を費やし10%の戦争故の増税が、国民に一層の厭戦気分を促がす結果となった。 痛ましいのはベトナムのみならず、米国内においても老女の抗議による焼身自殺。反戦集会のあと、高校生二人がガス自殺。「もう、せんそうはウンザリだ」の言葉を残した小学生男子のピストル自殺。 どの国の母親が平和を望まないであろうか。 どの国の母親が、愛する我が子を戦場へ送りたかろうか。 以下次号へ続く
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