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二度とない人生だから(6)

 昨年十二月、詩人坂村真民さんが、九十七歳の天寿を全うされた。
 七日前に、娘様が支え持つ色紙に円相を描かれたのが最後の遺墨になったと伺った。
 四十年前、妻と三人の子に呼びかけた詩がある。わたしは墓のなかにはいない
 
わたしはいつもわたしの詩集のなかにいる だからわたしに会いたいなら
 わたしの詩集をひらいておくれ(中略)
 妻よ 三人の子よ わたしは墓の下にはいないんだ虫が鳴いたら
 それがわたしかも知れぬ
 鳥が呼んでいたら それがわたしかも知れぬ
 花が咲き 蝶が舞うていたら それがわたしかも知れぬ
 わたしはいろいろな姿をして とびまわっているのだ
 墓のなかなどに じっとしてはいないことを
 どうか知っておくれ
  (坂村真民全詩集より)

  この『わたしは墓のなかにはいない』は、『ベトナムの少女よ』や、『二度とない人生だから』の作品より先に発表されたものと思う。
  ご回向の日に頂戴した形見となった色紙は、一昨年酉歳の書き初め『国境のない鳥になる』であった。

以下次号へ続く    


遊心庵主・岡部善惠




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