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二度とない人生だから(8) あれから何年の月日が流れたのであろうか。
ミャンマー(ビルマ)の民主化運動指導者アウンサン・スー・チーさんの拘束。またその後、今日まで続いている自宅軟禁の日々は。 仏教詩人坂村真民さんは、軍事政権下の厳重な弾圧が続く苦難の日々を案じ、一日も早い彼の国の真の自由と平和の成就を祈り、スー・チーさんの思想と信念、その勇気ある実践と忍耐を讃え励ます詩を発表した。後日、彼の国の支援者によって、その詩がスー・チーさんの許に届いていることを知った真民さんは、そのよろこびを月刊紙「詩国」で語っていたことを今思い出しながら、連日報じられるニュースの映像に、かつてのベトナムの仏教僧と市民のデモ行進のありさまが重なり、胸塞がる思いが続いた。 昨年、得難いご縁の重なりから、初めて目にするミャンマーの、重さ二キロ以上はある部厚い大判の経典一巻が、有志の方から当庵へ寄贈された。 彼の国の異なる文字のため、経題すら読めないながら、貴い経典を宝前に献じ、ひたすらミャンマー始め、全ての争いの国の終息をただ祈るばかり。 以下次号へ続く
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