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グリーン・コンシューマー 二十年は帰れぬと言うに百歳の母は 福島原発の事故により、どれ程大勢の人がある日突然、色もなく匂いもなく、目にも見えない放射線に避難を余儀なくされ、取る物も取り敢えず、長年住み馴れた我が家をあとに、よその土地での仮り住まいからはや二度めの正月を迎えるに至っている。 強制避難区域外の父母達も、子供の健康と将来を案じ、父親の仕事の都合では夫婦別居しての幼稚園や学校の転校の希望も多かったと聞く。 事故後間もなく政府は早々に終息を宣言し、やがて電力不足が高まると、大規模な反対デモを押しき り「国民の生活を守る為、わたくし、総理の責任に おいて、福井の大飯原発の再稼働を認めます」と時の首相。 北海道から九州まで十七カ所に五十四基の原発。 わけても福井県は原発集中率日本一。チェルノブイリや福島と同じ、世界で一番古い型の原子炉。今活断層が取り沙汰されている不安の種の埋まる所。 核の世に子供は生めぬと吾娘は言う 南無大慈大悲観世音菩薩 善惠尼・拝伏 ・「法の華」一覧に戻る ・「教義の紹介」に戻る |