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好日 そして 気楽
四十年振りに京都の詩仙堂を訪れました。庭は花散りて青葉がすがすがしく以前と同様に静寂そのものでした。
この度は、詩仙堂を造営された文人であり、文人煎茶の開祖でもあり、
九十歳で没するまで、三十年間を聖賢の教えをひたすらに自分の勤めとして、
寝食を忘れて過ごしてこられたという石川丈山のお人柄に心を惹かれてのことでした。
庭の鹿おどしは今も残っていますが、丈山も閑寂の中、
さぞこの音を愛し老陰の慰めにされたことと想いを巡らせています。
三井古流の本旨、聖賢道の悟得というと難しいようですが、
お稽古を度重ねていくうちに、自然と心豊かになり、人々との和を楽しみながら、
お互いの心が融け合っていくように思えます。
新茶の季節、お茶の友から戴いたお気に入りの急須に、
宇治の老夫婦から頂戴した手作りのお茶を入れ、一人でお点前を楽しみ、人々の心に感謝している今日この頃です。
三井古流煎茶道 奈良分会 山本宗月
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