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三井古流煎茶道との出会い 小学校一年生のころ、近くの明石寺に友だちと遊びに行き、小さな庵に住むお年寄りからお茶をごちそうになったことがあります。小さな茶器、お菓子を取るときの細い箸、丁寧に入れていただいたお茶の味や優しくお話をしてくださったことを覚えています。それから三十年近くを経て、縁あって三井古流煎茶道を習い始めたとき、あのときの明石寺のお年寄りは、三井古流と深い縁のある野井其水先生だと教えていただき、たいへん驚きました。 お稽古の時間は、心癒やされるひとときです。おいしいお茶を入れるために「待つ」時間をうまく調節できず、味に深みが出ないときもありましたが、ようやく十年経って少しずつ待てるようになりました。また、先生が生けておられる四季折々の花や掛け軸の言葉を学ぶと、暮らしの中でも生かしていきたいと感じます。 野井先生が、幼い私たちにお茶を振る舞ってくださったときのお姿を思い出しながら、これからもさらに精一杯努力していきたいと思います。
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